確かこの本を買ったのは去年の秋だったはず…。
6月になってようやく読み終わりました。どれだけ寝かせいたのか。
前半に収録されている初期の短編群は楽しく読めたし、どれも良い作品だと思いました。
最初の二編「マディソン・アヴェニューのはずれでのささいな抵抗」「ぼくはちょっとおかしい」はライ麦畑の番外編みたいな内容で、特に後者ではホールデンとスペンサー先生とのやり取りが読めてとても楽しかったです。
ただ、それ以降の作品になるといきなり戦争の色が濃くなり、ホールデン・コールフィールドがその後どうなったのか…というところまで書かれていて(ホールデンの兄のほうがよく出てくるが)、その点は全く予想していなかったし知らなかったので、最初に読んだ時の驚きと言ったら大変なものでした。
まさか、まさか…! いや、これ以上は言う(書く)まい。
で、最後にハプワースが出てくるんですが、これが長いこと!
内容はほとんどシーモアが両親に宛てて書いた手紙なんだけど、話題が難解な上にあっちこっちに飛んだりとっ散らかったりして、ずーっと字を追ってるうちに何を読んでいるのかだんだん分からなくなって…の繰り返しで、読み終わるまでにかなりの時間を要してしまいました。
普通の人はこれ読むのにどれぐらいかかるんでしょう?
でも、もしかしたらこの作品は理解しようという努力をしないほうがいいのかもしれない。だって7歳児の手紙だし…でもなんで7歳児が処女性とか宗教について語ってるんだって気もするけど、シーモア・グラースだしな。
グラース・サーガはどの話も好きだけど、最後に出てきたのがこれかぁ。
なんとか読み終わったのはいいけど、なんか複雑な気持ちになりました。